製品プロファイルドラッグ・インフォメーション

オンパットロ添付文書 2019年9月改訂(第2版)より
 

禁忌

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

 

効能又は効果

トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー

〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉

  1. 本剤の適用にあたっては、最新のガイドラインを参照し、トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーの診断が確定していることを確認すること。
  2. 肝移植後の患者における有効性及び安全性は確立していない。[臨床試験での使用経験がない]
 

用法及び用量

通常、成人には3週に1回パチシランとして0.3mg/kgを点滴静注する。体重が104kg以上の患者には3週に1回パチシランとして31.2mgを点滴静注する。いずれの場合にも、70分間以上(投与開始後15分間は約1mL/分、その後は約3mL/分)かけて投与すること。

 

使用上の注意

  1. 重要な基本的注意

    1. 本剤投与によりInfusion reactionが発現する可能性がある。Infusion reactionは主に本剤投与中又は投与開始2時間以内に多く報告されている。それらの症状を軽減させるため、以下の前投薬を本剤投与のたびに、少なくとも投与60分前に投与すること。[「重大な副作用」の項を参照]

      • コルチコステロイド(デキサメタゾン10mg又は同等薬) (静脈内投与)
      • アセトアミノフェン(500mg) (経口投与)
      • H1拮抗薬(クロルフェニラミンマレイン酸塩5mg又は同等薬) (静脈内投与)
      • H2拮抗薬(ファモチジン20mg又は同等薬) (静脈内投与)

      なお、患者の症状、状態により前投薬の投与量の調整を考慮すること。

    2. Infusion reactionの症状が発現した場合には、本剤の投与速度を下げる、又は投与を中断し、適切な処置(副腎皮質ホルモン剤等の治療又は適切な対症療法、抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤又は抗炎症剤等)を行うこと。症状が消失した後に、投与速度を下げて再投与すること。重度のInfusion reactionが発現した場合は本剤投与を中止すること。

    3. 本剤は、血清中トランスサイレチン(TTR)タンパク質を減少させることにより、血清中ビタミンAの減少を招くことから、ビタミンAを補給するように患者に指導すること。なお、1日推奨用量は約2500 IUであり、推奨用量を超えて補給しないこと。 [「臨床検査結果に及ぼす影響」の項を参照]また、ビタミンAの欠乏により、眼症状(例:夜盲)等が発現するおそれがあるため注意すること。

    4. トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー患者は、心筋症等の心症状を伴うことが多い。本剤との因果関係は明らかではないが、心臓関連死等が報告されているので、本剤投与中は定期的に心機能検査(心電図、心エコー等)を行う等、患者の状態を十分に観察すること。

    5. 本剤はフィルターろ過により液量が減少し、ろ過後の採取可能容量はパチシランナトリウム10.5mg(パチシランとして10mg)未満であるため、必要なバイアル本数を計算する際に注意すること。[「適用上の注意」の項を参照]

  2. 副作用

    トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験において、安全性評価対象例148例(日本人7例を含む)のうち、94例(63.5%)に副作用が認められた。主な事象は、Infusion reaction(27.0%)、下痢(9.5%)、末梢性浮腫(6.8%)及び無力症(6.1%)等であった。

    1. 重大な副作用

      Infusion reaction(27.0%):
      関節痛又は疼痛(背部痛、頚部痛、又は筋骨格痛を含む)、潮紅(顔面紅斑又は皮膚熱感を含む)、悪心、腹痛、呼吸困難又は咳嗽、胸部不快感又は胸痛、頭痛、発疹、悪寒、浮動性めまい、疲労、心拍数の増加又は動悸、低血圧、高血圧、顔面浮腫等があらわれることがある。[「重要な基本的注意」の項を参照]

      房室ブロック(0.7%):
      本剤投与中に、完全房室ブロックを含む房室ブロックがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

    2. その他の副作用

        3%以上 1〜3%未満 1%未満
      血液およびリンパ系障害     大球性貧血、血小板減少症、白血球減少症、貧血
      心臓障害   心房細動、うっ血性心不全 心房粗動、徐脈、左脚ブロック、動悸、頻脈
      先天性、家族性および遺伝性障害     肥大型心筋症
      耳および迷路障害   片耳難聴、聴力低下、回転性めまい 突発性難聴、耳鳴
      内分泌障害     甲状腺機能低下症
      眼障害   緑内障、眼乾燥 嚢下白内障、眼内血腫、黄斑症、視神経乳頭陥凹、白内障、複視、視力低下、硝子体浮遊物
      胃腸障害 下痢、便秘、悪心、嘔吐 消化不良、腹部膨満、嚥下障害、腹部不快感、腹痛、胃食道逆流性疾患 腹部硬直、口腔内潰瘍形成、レッチング、歯肉腫脹、おくび、口内乾燥、上腹部痛
      一般・全身障害および投与部位の状態 末梢性浮腫、無力症、疲労 口渇、熱感 メトホルミンの副作用、胸部不快感、胸痛、顔面痛、高熱、注入部位腫脹、倦怠感、全身性炎症反応症候群、全身性浮腫、注入部位血管外漏出、末梢腫脹
      肝胆道系障害     肝嚢胞
      感染症および寄生虫症   気管支炎、上気道感染、尿路感染、肺炎、鼻咽頭炎 細菌感染、細気管支炎、丹毒、毛包炎、歯肉炎、ヘリコバクター性胃炎、肺感染、鼓膜炎、口腔ヘルペス、処置後蜂巣炎、鼻炎、皮膚感染、ブドウ球菌皮膚感染、結膜炎、帯状疱疹、インフルエンザ、足部白癬、気道感染
      傷害、中毒および処置合併症     骨格損傷、皮膚創傷、転倒
      臨床検査   腎クレアチニン・クリアランス減少、体重増加、体重減少 アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、血中アルカリホスファターゼ増加、血中クレアチニン増加、血中乳酸脱水素酵素増加、血中カリウム増加、血中尿素増加、薬物濃度増加、網膜図異常、トランスアミナーゼ上昇、視野検査異常、尿中ブドウ糖陽性、肝酵素上昇
      代謝および栄養障害     悪液質、高カリウム血症、高トリグリセリド血症、低血糖症、乳酸アシドーシス、ビタミンD欠乏、食欲減退
      筋骨格系および結合組織障害   筋痙縮、関節痛、関節硬直、背部痛、筋肉痛、四肢痛 関節不安定、筋肉疲労、筋骨格痛、筋骨格硬直、神経障害性関節症、顎痛、筋力低下

      良性、悪性および詳細不明の新生物

      (嚢胞およびポリープを含む)

          膀胱癌、真珠腫
      神経系障害 浮動性めまい 平衡障害、知覚過敏、神経根痛、傾眠、頭痛 健忘、脳梗塞、注意力障害、味覚異常、感覚鈍麻、神経痛、神経根障害、感覚障害、緊張性頭痛、声帯麻痺、運動失調、末梢性ニューロパチー、錯感覚
      精神障害   不眠症 易刺激性、落ち着きのなさ
      腎および尿路障害   急性腎障害、尿閉、血尿 腎機能障害、尿失禁、糖尿
      生殖系および乳房障害     不規則月経、精巣障害、良性前立腺肥大症
      呼吸器、胸郭および縦隔障害   発声障害、咳嗽 慢性閉塞性肺疾患、胸水、睡眠時無呼吸症候群、しゃっくり
      皮膚および皮下組織障害 紅斑 湿疹、寝汗、皮膚病変 脱毛症、水疱、剥脱性発疹、毛髪成長異常、多汗症、斑、全身性そう痒症、斑状皮疹、皮膚萎縮、皮膚変色、皮膚脆弱性、皮膚潰瘍、皮膚炎、そう痒症、紫斑、発疹
      血管障害   深部静脈血栓症、静脈炎、高血圧、低血圧、潮紅 ショック、表在性血栓性静脈炎、ほてり、起立性低血圧

      添付文書でご確認ください

  3. 高齢者への投与

    一般的に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら投与すること。

  4. 妊婦、産婦、授乳婦への投与

    1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい(妊娠中の投与に関する安全性は確立していない)。また、妊娠可能な女性に対しては、本剤の投与中及び投与中止後12週間は適切な避妊方法を行うよう指導すること(母体の血清中TTR又は血清中ビタミンAの低下が胎児に及ぼす影響は不明である。ウサギでは、母体毒性によると考えられる自然流産、胚・胎児の生存率の低下、及び胎児の体重の減少が1mg/kg以上の用量で認 められた)。

    2. 授乳中の女性には本剤投与中は授乳を避けさせること。[ヒト母乳中への移行は不明である]

  5. 小児等への投与

    低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

  6. 臨床検査結果に及ぼす影響

    1. 本剤の作用機序により、血清中のレチノール結合タンパク質及びビタミンAが減少する。ビタミンAを摂取しても血清中ビタミンA濃度は低下するが、代替機序によりビタミンAの輸送と組織への取り込みが生じうるので、血清中ビタミンAの検査結果を基にビタミンA摂取量を変更しないこと。[「重要な基本的注意」の項を参照]

    2. 本剤の作用機序により、血清中サイロキシンが減少することがある。

  7. 適用上の注意

    1. 調製上の注意

      1. 本剤は希釈して使用すること。

      2. 無菌操作により、以下のとおり薬液を調製すること:

        • 本剤の採取可能容量はバイアル1本あたり4.4mL(8.8mg)である。用法及び用量に基づき本剤の必要バイアル数を冷蔵庫から取り出す。
        • 変色がないか目視で確認する。変色がある場合は使用しないこと。なお、バイアルの内側表面に白色から帯黄白色の被膜が観察される場合があるが、製剤の品質に影響はない。
        • バイアル1本の全量を滅菌シリンジに抜き取り、滅菌ポリエーテルスルホン(PES)シリンジフィルター(孔径0.2μm)を用いてろ過し、滅菌容器に入れる。バイアル毎に新しいフィルターを用い、この手順を繰り返す。
        • 滅菌容器から、シリンジフィルターでろ過した本剤を抜き取り、総液量200mLとなるよう、0.9%塩化ナトリウム溶液入りの点滴バッグに本剤を入れ、静かに転倒混和する。
        • 使用後の残液はすべて廃棄すること。希釈溶液は調製後速やかに使用すること。希釈後にやむを得ず保存する場合には、15~30℃で保存し、投与時間を含めて16時間以内に使用すること。
    2. 投与上の注意

      1. インラインフィルター(孔径1.2μm、PES)を含む輸液セットと専用の点滴ラインを使用すること。
        なお、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DEHP)を含有しない点滴バッグを使用すること。
      2. 本剤は静脈内にのみ投与すること。また、投与中は注入部位を観察し、血管外漏出が疑われる場合には、投与を中止すること。
      3. 他の静注用薬剤等との配合又は同じ静注ラインでの同時注入は避けること。