臨床成績国際共同第Ⅲ相継続投与試験[グローバルオープンラベル継続投与(OLE)試験] 中間解1,2試験概要Open-Label Extension

禁忌を含む使用上の注意等はこちらをご参照ください。

 

目的

成人のトランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー患者におけるオンパットロの長期安全性および有効性を評価する。

 

対象

成人トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー患者211例(日本人:10例)

  • 親試験[国際共同第Ⅲ相試験(APOLLO試験)および海外第Ⅱ相OLE試験]を完了し、治験責任医師により忍容性が確認され、本試験に適切であると判断された患者
  • アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)およびアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)が基準範囲上限(ULN)の2.5倍以下
  • 国際標準化比(INR)が2.0以下(抗凝固療法を受けている患者では、INRが3.5以下でも許容)
  • 総ビリルビンが基準範囲内
  • 血清クレアチニンがULNの2倍以下
※総ビリルビンがULNの2倍以下で、その上昇が確定診断されたジルベール症候群に起因する場合(非抱合型ビリルビン上昇を認めるが抱合型ビリルビンは正常であり、かつALTおよびASTが基準範囲内の患者)は、適格とした。
 

試験方法

第Ⅲ相、多施設共同、オープンラベル、継続投与試験、国際共同試験

親試験での最終投与から約3週間後を初回投与日として、以降3週ごとにオンパットロ0.3mg/kgを静脈内投与した。

すべての患者に前投薬として、デキサメタゾン(または同等薬)、パラセタモール/アセトアミノフェン(または同等薬)、H1/H2拮抗薬を投与した。投与期間は最長5年間とした。

親試験に基づき、次の3つに分類した。
  • APOLLO-オンパットロ群:国際共同第Ⅲ相試験(APOLLO試験)でオンパットロが投与され、本試験でオンパットロを継続投与した患者
  • APOLLO-プラセボ群:国際共同第Ⅲ相試験(APOLLO試験)でプラセボが投与され、本試験でオンパットロを投与した患者
  • 海外第Ⅱ相OLE-オンパットロ群:海外第Ⅱ相OLE試験でオンパットロが投与され、本試験でオンパットロを継続投与した患者
グローバルOLE試験 試験概要 グローバルOLE試験 試験概要
 

評価項目

安全性
有害事象、臨床検査、バイタルサイン、身体検査など
有効性
  • mNIS+7(modified Neuropathy Impairment Score+7、補正神経障害スコア+7)スコア
  • Norfolk QOL-DN(Norfolk Quality of Life-Diabetic Neuropathy、糖尿病神経障害)スコア
  • R-ODS(Rasch-built Overall Disability Scale、身体障害尺度)スコア
  • 10-MWT(10-Meter Walk Test、10メートル歩行試験)
  • COMPASS 31(Composite Autonomic Symptom Score 31、複合自律神経症状スコア 31)スコア
  • PND(Polyneuropathy Disability)スコア
  • FAP(Familial Amyloid Polyneuropathy)ステージ
  • 握力
  • NT-proBNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント)
  • mBMI (modified Body Mass Index、補正BMI、体重(kg)/[身長(m)]2×血清アルブミン値(g/L))など

血清トランスサイレチン(TTR)に及ぼすオンパットロの薬力学的影響

 

解析計画

有効性解析は12ヵ月間の有効性評価を完了した患者[最大の解析対象集団:FAS(Full Analysis Set)]のデータを用いて行った。

安全性解析はデータカットオフ(2018年9月24日)までに1回以上のオンパットロ投与を受けた患者を対象に、有害事象(MedDRA ver.18)および臨床検査、バイタルサインなどを評価した。

臨床検査値、バイタルサイン、有効性パラメータの記述統計量は、実際の値とベースラインからの変化(患者内で計算)で示した。

オンパットロの曝露期間は、患者の初回投与と直近の投与に基づいて、試験全体の累積曝露期間として算出した。

曝露調整死亡率は事後解析で、(総死亡数/総患者人・年曝露期間)×100として算出した(オンパットロ初回投与から最終投与90日以内に発生した死亡を計算に含めた)。総患者人・年曝露期間は、曝露期間(年)または追跡期間(年)の最小値を用いて、各患者の時間の合計として計算した(グローバルOLE試験のデータカットオフ:2018年9月24日)。

APOLLO試験における治療群間の曝露調整死亡率の事後解析は、非V30M遺伝子型および/またはAPOLLO試験ベースライン時に血清中NT-proBNP値の上昇(>3000pg/mL)が認められた患者のサブグループにおける死亡率を評価して行った。

  1. 承認時評価資料:日本人を含む国際共同第Ⅲ相継続投与試験(ALN-TTR02-006試験)
  2. Adams D, Polydefkis M, González-Duarte A, et al. Lancet Neurol. 2021;20(1):49-59.(本試験はAlnylam Pharmaceuticalsの支援により実施された)