臨床成績国際共同第Ⅲ相試験(APOLLO試験)の概要1,2

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目的

成人のトランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー患者におけるオンパットロの有効性および安全性を評価する。

 

対象

成人トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー患者225例(日本人:16例)

  • TTR変異が確認され、トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーと診断された患者
  • NIS(Neuropathy Impairment Score)スコアが5~130点およびPND(Polyneuropathy Disability)スコアがⅢB以下
  • 中等度または重度の肝機能障害、重度の腎機能障害(末期腎不全を含む)を有さない患者
  • 腓腹の感覚神経活動電位(SNAP)、脛骨の複合筋活動電位(CMAP)、尺骨のSNAP、尺骨のCMAPおよび腓骨のCMAPのNCS総和が2点以上
  • NYHAクラスがⅡ以下
  • KPS(Karnofsky Performance Status)が60%以上
※全身状態を総括的に評価する指標で、100%(正常)から0%(死亡)まで11段階で採点を行う。オンパットロの臨床試験では、車椅子や寝たきり状態の患者は対象から除外し、「自分に必要なことはできるが、ときどき介助が必要」と定義されるKPS 60%以上の患者を対象とした。
 

試験方法

第Ⅲ相、多施設共同、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照、国際共同試験

225例をオンパットロ群(n=148)またはプラセボ群(n=77)のいずれかに無作為に割り付け、オンパットロ(0.3mg/kg)もしくはプラセボ(0.9% NaCl)を3週に1回、最長78週間(18ヵ月間)静脈内投与(1回あたり約70分間かけて点滴静注)した。すべての患者に前投薬として、デキサメタゾン(または同等薬)、パラセタモール/アセトアミノフェン(または同等薬)、H1/H2拮抗薬を投与した。

なお、9ヵ月時点で、臨床判定委員会が盲検化された患者データをレビューし、急速な病勢進行(mNIS+7スコアのベースラインから24点以上の増加、かつ、FAPステージのベースラインからの進行)が認められたと判断した場合、治験薬の投与を中止した。

APOLLO概要APOLLO概要
層別化因子
  • NISスコア(50点未満、50点以上)
  • 遺伝子型分類(若年発症V30M型、高齢発症V30M型を含むその他の全変異)
  • TTR四量体安定化剤(タファミジスまたはジフルニサル※2)の使用歴(あり、なし)
  ※1 すべての患者に前投薬として、デキサメタゾン(または同等薬)、パラセタモール/アセトアミノフェン(または同等薬)、H1/H2拮抗薬を投与した。 ※2 国内販売中止(トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー治療薬としては未承認)
 

評価項目

【主要評価項目】

投与18ヵ月時点のmNIS+7(modified Neuropathy Impairment Score+7、補正神経障害スコア+7)スコアのベースラインからの変化量のオンパットロ群とプラセボ群との差

【副次評価項目】

以下の項目における投与18ヵ月時点のベースラインからの変化量のオンパットロ群とプラセボ群との差

  • Norfolk QOL-DN(Norfolk Quality of Life-Diabetic Neuropathy、糖尿病神経障害)スコア
  • NIS-W(Neuropathy Impairment Score-Weakness、神経障害スコア-筋力低下)スコア
  • R-ODS(Rasch-built Overall Disability Scale、総合障害尺度)スコア
  • 10-MWT(10-Meter Walk Test、10メートル歩行試験)
  • mBMI(modified Body Mass Index、補正BMI、BMI[kg/m2]×血清アルブミン値[g/L])
  • COMPASS 31(Composite Autonomic Symptom Score 31、複合自律神経症状スコア 31)スコア
【探索的評価項目】

以下の項目における投与18ヵ月時点のベースラインからの変化量のオンパットロ群とプラセボ群との差

  • 血清中TTR濃度
  • PNDスコア
  • FAPステージ
  • 心エコーパラメータ(左室壁の厚さ、左室長軸方向ストレイン、左室拡張終期容積、心拍出量など)、ならびに心臓バイオマーカー[脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT-proBNP)、トロポニンI]など
【安全性】
 

解析計画

【解析対象集団】

すべての有効性の解析はmITT集団を解析対象集団とし、安全性の解析は安全性解析対象集団とする。

【解析方法】

主な評価項目は、制限付き最大尤度に基づくMMRM(Mixed Model Repeated Measures:繰り返し測定混合効果モデル)法を用いて解析を行う。モデルには、共変量としてベースライン値を含め、また投与群、来院時期(9ヵ月、18ヵ月)、治療-来院の交互作用、遺伝子型(V30M型、非V30M型)、トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー発症年齢(50歳未満、50歳以上)、地域(北米、西欧、その他の国または地域)、TTR四量体安定化剤の使用歴(あり、なし)などの固定効果の項を含める。Norfolk QOL-DNスコア、R-ODSスコア、10-MWT、mBMI、COMPASS 31スコアについては、MMRMにベースラインのNISスコア(50点未満、50点以上)も因子として含める。

副次評価項目は、Norfolk QOL-DNスコア、NIS-Wスコア、R-ODSスコア、10-MWT、mBMI、COMPASS 31スコアの階層順に検定し、両側0.05の有意水準での比較が有意であった場合のみ、次の階層の評価項目を正式に検定した。

【サブグループ解析】

mNIS+7スコアおよびNorfolk QOL-DNスコアについては、患者のベースライン特性に基づくサブグループ解析を行う。

日本人集団における有効性および安全性についても、全患者集団と同様の方法で解析する。

心アミロイドーシス集団を対象にアミロイド心筋症に及ぼす影響を評価する。

 

各集団の定義

mITT集団 無作為割り付け後に試験薬を1回以上投与された患者
心アミロイド―シス集団 関連が予測される病状がなく、既存の心臓のアミロイド沈着の心エコー所見を有する患者(ベースラインの左室壁の厚さの平均が13mm以上であり、大動脈弁疾患または高血圧の既往歴がない患者)
安全性解析対象集団 オンパットロまたはプラセボを1回以上投与された患者
  1. 社内資料(承認時評価資料):日本人を含む国際共同第Ⅲ相試験(ALN-TTR02-004)
  2. Adams D, Gonzalez-Duarte A, O‘Riordan WD, et al. N Engl J Med. 2018;379(1):11-21.(本試験はAlnylam Pharmaceuticalsの支援により実施された)